芸術祭終了。大きな事故もなく、前回に比して、多くの人がゆっくり楽しんでくれたように思う。芸術祭を支えてくれた人たちに、心からの感謝。ありがとうございます。
サポーターに海外からの参加者が多かった。こえび活動全体ののべ人数7000人・うち海外勢870人、実数は全体1100人・うち海外勢140人を受け持ってくれたのが特徴です。海外からのお客さんが多く、それと同じように助っ人が多いのは、ただの観光とは違って、旅、瀬戸内を体験しよう。できたら瀬戸芸のような祭りを軸にした地域づくりを、それぞれの場でやっていきたいという思いをお持ちだったように思われるのです。
瀬戸芸の特色はまず何といっても海を渡りそれぞれ個性ある島を舞台にしていることです。
二つ目はそこで展開される美術の質の良さです。採取経済から現代のIT・グローバル経済までの様々な断面・諸相に相対した一線のアーティストが何を感じ、何を表すかの面白さ、新鮮さが人々をひきつけます。これが土地の特徴となり、地域の人々の誇りに繋がっていったのです。
三つ目は1回ごとに新しい、大切な視点をいれていったことにあります。今回で言えば、第2回芸術祭での小豆島福田の福武ハウスで「アジア・プラットフォーム」、「アジア村」のベンガル島であり、それを受けた今回、12カ国16組のアジアパフォーミングアーツ公演とウィークデーの島でのワークショップ、タイファクトリーとアジア10カ国26団体が参加した「瀬戸内アジアフォーラム」、さらに「盆栽」「獅子舞」という地元の生活芸術であり、「食のプロジェクト」に参加したプロ、食ファン、アマチュアながら地域の食を立ち上げようとした人々が、それぞれの会期オープンに向けて結集し、意見を言い合い、それぞれの島の状況にあったオリジナルな展開をしてくれたのには感激しました。瀬戸内の食を経験したお客さんは前回に比べて格段に多かったはずですし、この「食のフラム塾」の参加者の動きは次回に向けた希望になりそうです。
四つ目はこえび隊の活躍です。島には若い人は多くない。そこで島と来島者、作品とお客さんをつなげる人が要ります。またこれだけの広域での大プロジェクトとなると種々の関係組織、グループ、地域が関わるし、また3年に1度の100日とはいかず、常時、島民と関わっていく柔らかい人たちが必要になります。それが主に高校生から70歳代にかけての人々が受け持つのですが、彼らのフットワーク、やわらかさ、地域・世代・ジャンルがミックスした多様多層がどれだけ瀬戸芸の魅力を高め、潤滑油の役割を果たしているか分かりません。これに加えて企業ボランティア、香川県庁退職者の方々が今回多く来られました。そして何よりも外国からの若者たち。
芸術祭がひとまず無事に終わり、ホッとしている間もなく、撤去作業が始まり、次回に受けての反省会と検討会が持たれています。美術は混迷する現代にこそその役割を十分に発揮できるし、そうしてもらわねばなりません。文明の矛盾、自然との乖離、人と人との隔たりを美術は直感的に、柔らかく明らかにし、かつ繋がっていってくれる、人類のふるくからのもっとも親しい友達でした。極東の内海からかすかに揚がった旗を大切に育てていきたいとまたあらたに思いました。瀬戸内国際芸術祭2016のブログをひとまず終了といたします。みなさん、ありがとうございました。
サポーターに海外からの参加者が多かった。こえび活動全体ののべ人数7000人・うち海外勢870人、実数は全体1100人・うち海外勢140人を受け持ってくれたのが特徴です。海外からのお客さんが多く、それと同じように助っ人が多いのは、ただの観光とは違って、旅、瀬戸内を体験しよう。できたら瀬戸芸のような祭りを軸にした地域づくりを、それぞれの場でやっていきたいという思いをお持ちだったように思われるのです。
瀬戸芸の特色はまず何といっても海を渡りそれぞれ個性ある島を舞台にしていることです。
二つ目はそこで展開される美術の質の良さです。採取経済から現代のIT・グローバル経済までの様々な断面・諸相に相対した一線のアーティストが何を感じ、何を表すかの面白さ、新鮮さが人々をひきつけます。これが土地の特徴となり、地域の人々の誇りに繋がっていったのです。
三つ目は1回ごとに新しい、大切な視点をいれていったことにあります。今回で言えば、第2回芸術祭での小豆島福田の福武ハウスで「アジア・プラットフォーム」、「アジア村」のベンガル島であり、それを受けた今回、12カ国16組のアジアパフォーミングアーツ公演とウィークデーの島でのワークショップ、タイファクトリーとアジア10カ国26団体が参加した「瀬戸内アジアフォーラム」、さらに「盆栽」「獅子舞」という地元の生活芸術であり、「食のプロジェクト」に参加したプロ、食ファン、アマチュアながら地域の食を立ち上げようとした人々が、それぞれの会期オープンに向けて結集し、意見を言い合い、それぞれの島の状況にあったオリジナルな展開をしてくれたのには感激しました。瀬戸内の食を経験したお客さんは前回に比べて格段に多かったはずですし、この「食のフラム塾」の参加者の動きは次回に向けた希望になりそうです。
四つ目はこえび隊の活躍です。島には若い人は多くない。そこで島と来島者、作品とお客さんをつなげる人が要ります。またこれだけの広域での大プロジェクトとなると種々の関係組織、グループ、地域が関わるし、また3年に1度の100日とはいかず、常時、島民と関わっていく柔らかい人たちが必要になります。それが主に高校生から70歳代にかけての人々が受け持つのですが、彼らのフットワーク、やわらかさ、地域・世代・ジャンルがミックスした多様多層がどれだけ瀬戸芸の魅力を高め、潤滑油の役割を果たしているか分かりません。これに加えて企業ボランティア、香川県庁退職者の方々が今回多く来られました。そして何よりも外国からの若者たち。
芸術祭がひとまず無事に終わり、ホッとしている間もなく、撤去作業が始まり、次回に受けての反省会と検討会が持たれています。美術は混迷する現代にこそその役割を十分に発揮できるし、そうしてもらわねばなりません。文明の矛盾、自然との乖離、人と人との隔たりを美術は直感的に、柔らかく明らかにし、かつ繋がっていってくれる、人類のふるくからのもっとも親しい友達でした。極東の内海からかすかに揚がった旗を大切に育てていきたいとまたあらたに思いました。瀬戸内国際芸術祭2016のブログをひとまず終了といたします。みなさん、ありがとうございました。