これまでの歩み

2019.05.05 【フラムコラム04】土地を識り、旧きを温ねる旅


開幕後、最終形をまだ見ていない作品のチェックにまわりました。小豆島の三都半島では、多くの人が歩いていました。瀬戸内の美観のなかでも、ここは半島と謂われるだけあって特に海の拡がりが美しいところです。歩く人も風景のなかで爽やかに見えます。作品も頑張っているうえに地域の人たちのもてなしがうれしい。そうめんとおにぎりのもてなしを受けて、地域の喜びがこちらにも伝わってきました。


豊島では塩田千春さんと田根剛さんの次回作品のための思考プロセスを模型でみました。「こんなに模型づくりをするものなの?」とスタッフに伺うと「いつもそうだ」ということ。驚きました。
「豊島鮮魚」横にある垣内光司さんの「豊島愛ランドスケープ」という作品の展望席でボーッと海を見ました。よい気分です。「豊島鮮魚」は、地元のお母さんがたのお店で、新鮮なカレイの煮付け定食はおいしいです。地場の魚料理の醍醐味でした。おすすめ。


夕方4時からツアーで県立ミュージアムの「自然に挑む 江戸の超(スーパー)グラフィック-高松松平家博物図譜-」を見ます。「衆鱗図」「衆禽画譜」「衆芳画譜」「写生画帖」の4種13帖、約2,000点の細密さ、工夫など驚きもこれに勝るものなしと言えるほどの圧巻。瀬戸芸は現代美術の意欲作を見るととともに、土地を識り、旧きを温ねる旅であることがよく分かりました。ぜひご覧ください。


四国村に行って「わらや」で讃岐うどんのぶっかけを戴き、ラム・カツィールの池に浮かぶ旅人(今は難民、労働者、観光客)の作品「Suitcase in a Bottle」を見て農村歌舞伎舞台で「キネマと音楽の夕べ」を見るという贅沢なものでした。
坂本頼光さん(活動弁士)と三人の音楽家、鈴木広志、大口俊輔、小林武文(この3人の音楽性が実によい)の催しは毎回進展していて素晴らしいものでした。

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