瀬戸芸は評判もよく、快調です。
春会期も明日で終わり。こえび隊の朝礼も引き締まっている。無事に会期が過ごせたらという願いが感じられる。
朝、夜1時に神戸港からフェリーに乗り、朝6時に東高松港に入った友人にお会いして聞いたところによると、関西からのお客さんで神戸港から入ってくる人が多いそうだ。沙弥島が明日で見られなくなると思えば、皆さん何とか今日明日で来たいという気持ちが分かる。僕は今日、三笠宮妃殿下の見学のご案内をしました。
天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
ロシアのレオニート・チシコフさんの作品に出てくる柿本人麻呂の歌はほんとによいですね。南条嘉毅さんの作品も見られなくなるのは寂しい。
さて、春会期終わりになって、取材が相次いでいます。フランスからのマスコミ取材団、日本の新聞社2件、雑誌1件。
いろいろな面からの質問がありますが
何でこんなに人が来るの?
外国人客が多いのだが、どうして?
残る作品と会期中だけの作品の差は?
瀬戸芸開催の経緯は?
将来の見通しは?
ボランティア・サポーターがなぜこんなに参加するの?
等々です。
・作品が場の発見から協働に至るまでのサイトスペシフィックな成立がもつ現代的意味。
・ギャラリー、美術館というホワイト・キューブでの発表が、極めて現代思想の根底にある均質空間のなかで成立していることの意味と限界。
・地球環境の悪化とグローバルな市場経済が世界を覆うことによる桎梏とその打開の可能性をもつ旅について
・アートが75億人の人間の生理の表れであることがもつ意味と力について
これらが瀬戸芸の大切な要素であることを説明することは、とても時間のかかることでしたし、まだうまく伝わっているとは思えません。しかし、島の人とお会いすることと、たくさんの失敗を続けていくうちに、実践は思想の母胎となってきました。
昨日、今日、明日と秋会期の島の説明会が続きます。現場の人の思いを深いところで捉え、アーティストの意図を的確に実現しながら、今あげたことを考えていくことが、夏会期に向けての僕の作業になります。
皆さん、しばしの休みです。