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2022.09.13 日比野克彦「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト『一昨日丸』」の運航予定について

瀬戸内国際芸術祭2022秋会期に粟島に展示される「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト『一昨日丸』」の運航予定についてお知らせします。

『瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト』は、海底から引き揚げられた遺物とその関連の品々を展示する海の上に浮かぶ美術館『一昨日丸』と、香川県三豊市にある粟島に恒久設置されている『ソコソコ想像所』で構成されているプロジェクトで、瀬戸内国際芸術祭2013から継続して実施されています。

このプロジェクトを通して、鑑賞者は海から引き揚げられた遺物を鑑賞し、船の下の海を想像しながら、太古からの海と命のつながりに思いをはせます。


[瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト『一昨日丸』運航予定]
日 時:会期中(9/29~11/6)の土日祝 
時 間:11:30、13:15、15:00(3便) 
場 所:粟島
参加費:1,000円 
定 員:20名(粟島の作品前にて受付)



また、関連するペイントワークショップについては以下の日程で実施予定です。
日時:令和4年9月23日(金・祝)10:00~12:00頃(予定)
(雨天時は24日(土)10:00~に順延。募集締切は令和4年9月16日(金))
詳細はこちら(https://setouchi-artfest.jp/press-info/press-release/detail435.html



2022.09.13 【瀬戸内ふれあい紀行】来島者の声をお届けします [男木島編]

高松港からフェリーで40分、女木島からは20分、おむすびのような山に段々畑のように古民家が立ち並ぶ男木島に到着します。

この島は、狭くて急な坂道や石垣が特徴です。険しい上り坂を歩くと、作品施設にたどり着いた時には汗がびっしょり。これこそ男木島です。

og20《学校の先生》 エカテリーナ・ムロムツェワ(ロシア)

集落への入り口にある鳥居をくぐり、この急な坂を上ること徒歩5分。夏会期から公開の新作にたどり着きます。作品付近で、顔をタオルで拭くのは大阪から来た30代女性。「暑い中、坂道を上り、苦労してたどり着いたからこそ、鑑賞の感動が深まるんです。この体験は普通の美術館では決して味わうことができません。」とすがすがしい表情。島の方から親切に道を教えてもらい、うれしかったとのこと。「学校の先生」のイメージを共有する作品については、「小学校生活の記憶が蘇り、とてもなつかしかったです。」と話してくれました。

作品内には、子どもたちが遊べるスペースもあります。神戸から来た小学1年生の女の子は、人の手の形をした小さな模型を手に取り、サイコロを振って楽しく遊んでいました。女の子の母親は、芸術祭初回の2010年以来となる訪問だそう。「実際に触ってふれあえる作品が増えたなと感じます。見るだけでない楽しみがあって、とてもうれしいです。」と満足した様子でした。


集落の中心に向かっていくと、高台にある安産の神様、豊玉姫神社の鳥居が見えてきます。ここからは、瀬戸内海や家々を一面に見渡すことができます。神社に登る階段の脇に、夏会期の新作が登場しました。

og18《男木島パビリオン》 大岩オスカール+坂 茂(ブラジル、日本)

建物の中にある大きなガラス窓には、魚やタコ、フェリーといった瀬戸内のシンボルが黒色のマジックで生き生きと描かれています。屋根を支える梁(はり)や柱に再生紙の紙管が使われた独特な空間で、窓越しに海を眺めることができます。眺める位置によって、フェリーが海に浮かんでいるようにも見えます。

大阪から来た50代夫妻は「海の美しい景色がガラスのペン画を引き立てていて、場所ありきの作品とはまさにこのことだと感じました。絵が踊り出すようで、とてもワクワクしました。」と笑顔です。

東京から初めて芸術祭に来た50代女性は「どこから見ても絵になり、まさにインスタ映えします。建物は和風なポップといった感じで親しみやすいです。」とにこやか。さらには「ここまでたどり着くのに歩き疲れましたが、この景色を見られるならば誰も文句は言わないでしょう。来てみて本当に良かったです。」としみじみと語ってくれました。秋会期の会場となる、香川県西部の島々を巡るのが今から楽しみだそうです。


今度は、坂道を南方面に下っていくと、倉庫を改装した作品が現れます。こちらも夏の新作。

og19《No.105》 ワン・テユ(王德瑜)(台湾)

Photo:Keizo Kioku


この作品の特徴は、実際に大きなバルーンの中に入って、空間そのものを体感できること。高知からの50代男性は「一面、蛍光色の世界を初めて体感しました。なんだかすごく斬新でスッキリしました。」と驚いた表情。奥さんは「大人になっても子どものように遊べる貴重な空間。2人で声を掛け合い、写真を撮り合うのがとても楽しかったです。」と満足していました。「17年ぶりにハイハイして、子どもにかえった気分でした~!」と目を輝かせるのは、香川県内の高校3年生の女子生徒のみなさん。「中のふわふわ感がたまらないです。また体感しに来ます。」と大満足のようでした。同じく高校3年生の男子生徒も「バルーンの中を見ただけでも驚き。実際に入るとワクワクします。」と充実した表情でした。


og05《漣の家》 眞壁 陸二

坂を下って海辺に出ていくと、倉庫の壁面にカラフルなアクリル板を設置した作品も楽しめます。ここでは、春会期中にワークショップが開かれ、島の方と来場者がアクリル板に思い思いに描いた「海の色」も加わっています。秋会期にもワークショップを予定しています。

坂道をぐるりと巡り、作品空間ならではの体験も楽しめる男木島。歩き回って気持ちのいい汗をかいた後は、フェリーを乗り換えて、次の島に渡りましょう。(続く)

2022.09.12 瀬戸内国際芸術祭2022(男木島)~眞壁陸二「漣の家」《ワークショップ「あなたの海の色」》を開催します~

アートは見るだけで無く参加するほどに興味が深くなるものです。
今回「漣の家」では瀬戸内の海の色彩の豊かさを表現した作品となっています。
しかしそれは私/作者が知る「海の色」であり あなたの知る海の色では無いかもしれません 。
人の数だけ思い描く海の色は異なっているはずです。
ワークショップに参加していただく方の知るまたは感じる海の色を教えていただき、
それを実際現地で制作し作品の一部として協同作品としてゆきます。


日 程:10月1日(土)、10月2日(日)
時 間:13時~16時(集合13時)
場 所:男木小中学校体育館(og17「青空を夢見て」作品
参加費:島民参加=無料、一般参加=1,500円
定 員:各日10名まで(事前受付)
参加申込:お電話で、希望日・参加人数・氏名・電話番号をご連絡ください。
電話番号:087-813-0853(瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局)
申込締切:9月30日(金)

2022.09.06 芸術祭2022公式イベント(秋会期)デジタルチケット(前売券)の先行販売中

瀬戸内国際芸術祭2022では、会期中にさまざまなイベントの実施を予定しています。
この度、秋会期に実施するイベントの一部について、9 月5日(月)からデジタルチケット(前売券)の販売を開始しています。
オンライン販売サイトでの受付が既に終了した公演(売り切れ)も出ていますので、お早めにお買い求めください。


【前売り券予約・販売開始イベント】
① 【本島】瀬戸内少女歌劇団「せとうち物語-塩飽編-」
  開催日時 2022 年10 月22 日(土)15:00~ 、
           10 月23 日(日)11:30~/15:00~ 、
           10 月29 日(土)15:00~ 、
           10 月30 日(日)11:30~/15:00~(受付:各回30 分前より)

前売一般¥1,500、当日一般¥2,000(パスポート割引¥1,800)、小中高生¥800(前売り・当日とも)
オンライン(瀬戸芸デジパス、peatix【販売サイトはこちら】)にて、前売券販売中。

その他、9月29日(木)から、高松港旅客ターミナルビル 1 階の高松港総合案内所にて前売券を販売。



瀬戸内少女歌劇団



② 【男木島】ひびのこづえ×島地保武×小野龍一×OGIJIMA「Come and Go」
  開催日時 2022 年10 月8 日(土)15:00~
           10 月9 日(日)11:30~ / 15:00~
           10 月10 日(月祝)11:30~
           10 月15 日(土)11:30~/ 15:00~
           10 月16 日(日)11:30~(受付:各回30 分前より)
一般前売:500円、当日パスポート割引:800円、一般当日:1,000円、小中高生:500円
オンライン(瀬戸芸デジパス、peatix【販売サイトはこちら】)にて、前売券販売中。

その他、9月29日(木)から、高松港旅客ターミナルビル 1 階の高松港総合案内所にて前売券を販売。




ひびのこづえ×島地保武×小野龍一×OGIJIMA「Come and Go」



2022.08.25 【瀬戸内ふれあい紀行】来島者の声をお届けします [女木島編]

圧巻の新作が続々と登場した夏会期も、折り返し地点。心地よい海風や緑色の棚田、澄み切った青空、身に染みる蝉の声などともに、多くの方が夏のアート巡りを楽しんでいます。このブログでは島の様子、来場者のお話をレポートします。今回は高松港からフェリーで20分の女木島で出会った方々の声をお届けします。(随時掲載)


船のデッキからフェリーを見送るスタッフに笑顔で手を振るのは、20年ぶりに女木島を訪れるという60代の女性。「高松に住んでいても島にはめったに行かないんです。芸術祭をきっかけにこの夏、島を巡ろうと思いました。」大阪に住む娘や孫も連れて女木島巡りをするのが楽しみだそうです。

アクセスの良い女木島は、穏やかな波のビーチが特徴で夏はおおいに賑わいます。
また山上に洞窟があることから「鬼ヶ島」としても有名です。

さわやかな海風や夏空を楽しみながら、港から歩くこと約10分。海を臨む一軒の家にたどり着きます。ここに夏会期からの新作が登場しました。


mg27《ナビケーションルーム》 ニコラ・ダロ(フランス)

Photo: Keizo Kioku

作品空間にゆったりと浸っていたのは、東京からの50代男性。「作品はもちろん面白いけど、何よりこの場所に感動しました。心地よいオルゴールを聞きながら大好きな瀬戸内海、屋島、五剣山をじっくりと眺めるのは本当に贅沢で幸せです。」さらには「日本全国、海外各地を旅してきたけど、瀬戸内海ほど美しい場所はないですね。憧れの女木島でこの作品に出会えて本当に感謝しています。記憶に残ったので、また来たいです。」と話してくれました。

作品を見た大阪から来た40代女性は「なんだか不思議な感じだけど調和していますね。」と驚いた表情。気付いたら機械が動き、ふとしたタイミングでオルゴールが流れる作品に夢中になっていました。


女木島ならではのアートの楽しみは、作品を観賞し、体感して、さらにお買い物も楽しめること。その拠点がビーチの近くにある女木島名店街の寿荘です。

mg08《女木島名店街 ピンポン・シー》 原倫太郎+原游


mg22《女木島名店街 リサイクルショップ複製遺跡》 五所純子

この寿荘に、今年から新たに登場した五所純子さんのリサイクルショップ複製遺跡があります。島の内外から集まった物品を遺跡から発掘するように来場者が取り出して購入するのです。

岡山から訪れた30代女性は、青色のガラス食器を購入。「ものを取ると、跡が残り、空間が変化していくんですね。一緒に芸術作品を作っている感じがして、とても興味深かったです。」購入した食器は、記念品として大切にとっておくそう。

Photo: Keizo Kioku


同じく今年の春に登場したガラス漁具店では、アーティストが作った一点もののガラスのルアーやアクセサリーなどを手に入れることができます。

mg20《女木島名店街 ガラス漁具店》 柳建太郎


女木島名店街では、アート作品以外にも瀬戸内の島々のお土産物を手に入れることができます。女木島のにんにく醤油や豊島の天日塩などの瀬戸内の特選品や、島の方も買える食パンなども販売。この夏は塩ミルクジェラートが大人気です。

「おいしいアイスを食べて、暑さを吹っ飛ばしてねーー!」と強調するのは、高松から女木島に通うご夫婦。日差しが強く暑い日には、休む暇もないくらいに売れるそう。

宮城から遊びに来た小学生の女の子は「甘さとしょっぱさのバランスがよくて後味が良かった~。」と満足した様子でした。

女木島名店街は寿荘にとどまらず集落の中へも広がっています。


mg23《女木島名店街 瀬戸内カーニバル》 あきびんご

東北から初めて来た50代男性は、島のあちこちに鬼が飾られていることに気付き、「秋田のなまはげを中心に、東北では鬼文化が盛んですが、香川にも鬼がいるんだなと親近感を持ちました。友人にも伝えたいです。」とにこやかに話してくれました。松原に囲まれた古民家の中には尾道出身の絵本作家が、広島から女木島までの旅の絵物語を屏風に仕立てています。さらに奥の部屋の作家自身が描いた各地の鬼の絵の展示も注目です。


mg25《女木島名店街 MEGI Fab(メギファブ)》 三田村光土里

さらに集落の中を歩いていくと、古い家の中で手芸屋さんが展開されています。女木島で撮影した写真をファブリック(布製品)にして展示・販売しているのです。夏からはそのファブリックで新たにサコッシュやブローチの販売も始まりました。とても人気です。

作品の布をアレンジしたエプロンが可愛らしい女性スタッフは「家に帰り、時間が経ったあとも女木島を思い返してほしいですね。そして、また女木島に来てもらいたいです。」と話してくれました。

さまざまな人の想いが交錯する女木島。さあ、次は同じフェリーで男木島に渡りましょう。日傘も忘れずに!(続く)


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