芸術祭が始まりました。
開会式—。浜田知事、福武プロデューサー、オーストラリア大使ブルース・ミラーさんの挨拶の内容にはうなずくばかり。幕が上がる時、演奏された県下選抜の上手たち50人によるチューバ中心の音楽がよかった。
長さ6m・直径2mの創作大チューバと、「女木桜」と命名された、一升瓶から作った吹奏楽器が熱気と気合と緊張で埋まる会場をホッとしたユーモアで包む。楽器がこれだけの豊かな進行役になるとは! 愛知県芸の作曲家・寺井尚之さんと彫刻の先生方の芸術祭に寄せる好奇心と楽しさが結晶した。三度喝采。
 
昼から沙弥島でのオープニング。生憎(あいにく)の雨。五つの島の自治会長の皆さんによる「オフナウタ」は、とてもよかった。坂出市の綾市長は神戸芸工大の先生デザインによる万葉調の正装だったし、海上では船からの放水による祝いや、大漁旗が飾られた島々からの船が走るなど、驚くほど多くの参加者があり、島の熱意と坂出市の芸術祭に寄せる期待が分かって嬉しかった。

「そらあみ」の五十嵐靖晃さん、あなたは(坂出沖の)五つの島をつなげてくれました。それぞれの島の漁師に編んでもらったという作品には、デザインの違いが表れ、個性と誇りの美しさがあった。

EAT & ART TAROさんの島スープは長蛇の列で、アッという間もなく完売。飲めなかった。

3時からは直島の崇徳院奉納春祭に。
本間純さんデザインによる神輿(みこし)が5基、全国から集まった大田楽(だいでんがく)をベースにした踊りに先導されて本村を練り歩き、春祭の海上に到着。その後、南果歩さん、つつじ太鼓、粟島ふるさと劇団の公演等が行われたが、街には地元の人たちが飾りをつけ、練り歩きには車に押されてお婆さまたちが見学に来られ手を叩いてくれていた。
街を通るお祭りはいいものだなぁと、つくづく思ったことでした。
さあ、祭の始まりです。