この間、島を巡りました。晴天で真っ黒になり、眼鏡の跡がつく始末。それにしても海は明快です。万象のひとつひとつが己の存在をはっきりと示す。島も、鳥も、魚も、船も、家も。それぞれが光のなかに屹立し、輝く。万象は忘れ難く私の前にあらわれ、あなたの前に立ちあらわれる。そこに人は感応し、ゆたかに漂えるのだと思います。

そんななかでは、犬島の家プロジェクトは、今まで感じた以上に鮮やかでした。浅井裕介さんの道路上のペインティングはより楽しく伸びやかでした。名和晃平さんの宇宙誕生のエネルギーはフツフツと動いているかのようでした。妹島和世さんと明るい部屋の植物園計画はその蔓を感ずることができました。高橋啓祐さんのスラグを使った映像も、スラグと波の寄せては帰るさまが絶妙に美しかった。

そういう意味ではトビアス・レーベルガーのイルヴェントも以前以上に光と色彩が鮮やかに反射しあっていてよかった。ここの毎日曜日の食事も出色です。