第3回目となった「瀬戸内『食』のフラム塾」は、この夏、新潟の越後妻有地域で開催中の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」へ8月7日~9日まで2泊3日の視察ツアーを実施し、塾生44名が参加しました。
「大地の芸術祭」は、当塾頭の北川フラム氏が、2000年から総合ディレクターを務める芸術祭で、今回6回目になります。そんな瀬戸内国際芸術祭の大先輩である「大地の芸術祭」には、食に関するプロジェクトがたくさん誕生しています。今回の視察ツアーでは、現在、芸術祭真っ盛りの「大地の芸術祭」で食プロジェクトの現場を訪問し、実際の現場がはたしてどのように動いているのかを学んできました。

古民家で集落のお母さんと東京のシェフがコラボレーションし、地場の食材を生かした料理を提供する「うぶすなの家」

廃校となった小学校を改築した宿で、この地の自然や歴史に魅せられた若いスタッフが切り盛りし、創作料理をふるまう「かたくりの宿」

地域の女衆たちが運営する演劇仕立てのレストラン「上郷クローブ座」


越後妻有里山現代美術館「キナーレ」内のレストラン、「越後しなのがわバル」


当塾のアドバイザー、EAT&ART TAROさんによる、「ザ キュウリ ショー」

どの料理も、食材の味そのものを生かし、野菜やお米の美味しさをたっぷりと味わうことができました。冬は豪雪地帯となるこの地域。厳しい冬があるからこそ、土地が肥沃になり、水が豊かになり、そして人々の苦労と喜びが生まれ、美味しい食材に繋がっていることが、料理を味わったりお話をお伺いしたりすることで伝わってきました。

作品展示会場の近くでは、地元の人による「お接待」があり、長年育まれてきた芸術祭に対する地元の人の愛情を各所で感じることができました。
「冷たいお茶どうぞ」「トマトおいしいよ」
という呼びかけ。地元の人との会話は、何よりも楽しいものです。

夜には、北川塾頭とTAROさんとの意見交換会が行われ、塾生たちの熱い議論が交わされたり、早朝には、各展示施設へ出発する前のこへび隊ミーティングを見学したり、盛りだくさんの内容で大変ハードなスケジュールで実施された第3回のフラム塾でしたが、塾生の皆さんの熱心な姿がとても印象的でした。
今後の芸術祭開催に向け、これから何ができるかのヒントをそれぞれの塾生がそれぞれの形で掴んでくれたと思います。この学びを瀬戸内でも生かし、私たち自慢の瀬戸内の食材を、訪れた多くの方が楽しめるよう、食による広がりを目指していければと思います。