4月21日。〽春は名のみの風の寒さや 肌に寒さは突き刺さるが、靄(もや)は払われ、遠く中国地方の山容も緑明らかに、日が射せばヨットの遊弋(ゆうよく)もなだらかに、瀬戸内海は今日、地象・気象と人の織りなす青と白のグラデーション。空と海がお互いに映し合い、押し合い、それが光と風と波の無数のきらめきとなっている。
徳島のLEDフェスティバルが昨日オープン、雨に濡れての3時間だったが、面白い作品があった。川と城下町のたたずまいと料理等の蓄積を、新産業であるLEDと結びつけ、それをまた豊かにつなぐものとしてのアートがあるとの構成で、瀬戸内国際芸術祭と連携しているものだ(4/29まで)。

朝5時に徳島をでて、7時からの高松のこえび朝ミーティング春版ラストに参加。みんな気合いが入っている。「最後で多くの人が来られるが、いつもと同じように落ち着いて!こえびの本分の挨拶を明るく!事故のないように!」等々。60人が集まってくれた。私も一言。今朝読んできた徳島新聞一面巻頭の文章についてだ。タイトルは「瀬戸内国際芸術祭・大島青松園を訪ねて」(特別編集委員 岩木敏久)の最後の部分。

「島を離れる前、徳島県出身で入所者自治会会長の森和男さん(72)にお会いした。『園と入所者の将来について、私たちを隔離した国は最後まで責任を持って欲しい。多くの人に大島に来てもらい、ハンセン病の歴史や園のことを知って欲しいと思っています。』そう森さんは話してくれた。<ああ/何億の人がいようとも/かかわらなければ路傍の人/私の胸の泉に/枯れ葉いちまいも 落としてはくれない>青松園で暮らす詩人、塔和子さん(83)の詩「胸の泉に」の一節。「関わること」は、知ること、関心をもつことから。芸術祭がその機会をつくっている。春の会期は今日までだが、また夏と秋に開かれる」

呼応してくださる人がいる。遠くから手伝いに来られている人がいる。芸術祭の動機が少しずつ広がっている。夏に向けて私たちはまた芸術祭という舟祭りを艤装する。夏にまた来てください。ゆっくりと。