秋会期から公開になった作品をチェックすべく西の島を巡っています。
伊吹島では、インドネシア関連の3組のアーティスト(栗林隆、メラ・ヤルスマ+ニンディティヨ・アルディプルノモ、エコ・ヌグロホ)が作品を展開していて、ベトナムのディン・Q・レとリチャード・ストライトマター・トランが関わる粟島は、タラ号関連の作品など力作が多いです。
前回2016からの継続作品である、旧粟島小学校にあるaw07「過ぎ去った子供達の歌」(ムニール・ファトゥミ)、イタリアのエステル・ストッカーのaw06「思考の輪郭」は、やはり素晴らしい作品でした。
本島の、タイの作家 ピナリー・サンピタックとアリシア・クヴァーデ(ポーランド)、チェ・スーメー(ルクセンブルク)が入っている笠島の街並み保存地区は見応えがあります。
このほか、中村厚子の作品も素晴らしいのですが、ラックス・メディア・コレクティブの、運河に浮かんでいる作品ho07「恋の道」は、実際に見なくては決して分からない味のあるものでした。
ちなみに彼らは、2020年の横浜トリエンナーレのアーティスティック・ディレクターに就任された力のあるグループで、さすがだなとうなってしまいました。


あと3週間、ぜひお見逃しのないように。
高見島を含めて、レベルの高い作品が西の島に設置されています。


また、フィナーレに向かって、イベントも続きます。

10月25日から3日間、高松の玉藻公園で「SETOUCHI ART BOOK FAIR」が開かれます。約90店舗が出展しますが、そのうち約3割がアジアを中心とした海外からの参加です。瀬戸内国際芸術祭が世界有数の芸術祭に成長しているからこその結果ですが、国という枠を超えた連携がじっくり進んでいるのは嬉しいことです。


他には、10月25日から3日間、「SETOUCHI 企業フォーラム ―企業のサスティナブルな発展を目指して―」が開催されます。
このようなフォーラムが開催されるようになったのは、日本全体で“企業が社会の共通資本をどう底上げするか、地球環境を改善し、持続可能なプログラムにどう参加するか、科学技術が真に人間のためになるにはどうしたらよいか”を考える潮流が深く強く動いているせいです。


また、11月1日・2日には、オランダのクリスティアン・バスティアンスによる、ハンセン病をテーマとした公演「大切な貨物」がサンポートホール高松で行われます。
これには世界的大女優リヴ・ウルマンが参加するほか、根っからの演劇人である柄本明さんが生出演します。
若手女優で、今後の活躍が期待される石橋静河さんの生出演と相まって楽しみです。
予約制なので、お見逃しのないように。


天候不順が年々歳々とひどくなりつつあります。2100年には地球上の氷が全部とけるという予測もありますが、その勢いはすさまじい。
人間と地域の生活・文化にとって正念場です。