これまでの歩み

2013.08.13 年齢・国籍・バックグラウンド…あらゆる多様性を経験できる、ひと夏の「こえび体験」

前回のブログでこえび隊の運営サポーターが足りず、家族で参加してくださる人たちもある。と紹介したら、それを見て申し込みをしてくれた人もいて、嬉しかった。今のお盆の期間は多くの方が全国からいらっしゃっているが、苦戦は今後も続く様子。世代、専門、地域を超えてやっている状態が面白い。今回は運営上のエピソード、理念について書く。

先日からニューヨーク在住の16歳と18歳の兄弟が参加している。フランスの女性からの申し込みもある。外国からは、台湾、香港からの助っ人が相変わらず多いし、金曜日の夕方出発し、土日参加の首都圏のご夫人もおられる。夜行バスや深夜フェリーでやってくる人も多い。年齢は上は75歳、家族参加の4歳もいる。

この多様さが、全体の趣旨である。美術もできる限り多様でありたいと思っている。人と違っていて誉められることがあるのは美術くらいだろう。今、地球上で生きている70億人がみな違い、それぞれが異なった考えを持っている。そして70億人、何らかの関わり合いを持っている。その厳粛さ、凄さ。その人たちが何とか一緒にやっていかなければいけない、その大変さに気も遠くなる。美術はその違いの表れなのだ。瀬戸内国際芸術祭は、美術という人間の生理の現れ、個が気象や土地や時間の刻々の変化の中に感応し、響き合う様相を下敷きに、みなで束の間の生のそのまた一瞬を祭る試みだから、それは運営の在り方にも影響してくるのだ。

だから、当然嬉しい話はいくらでもある。こえびで一宿一飯を共にした人同士の繋がりは深く爽やかで、彼らはいい友達になれる。この暑い中、クタクタになりながらも会場にこられた来場者に「ぜひパスポートを購入してください」と呼びかけ続ける大変さを共に味わったもの同士だから。このパスポートのおすすめも、できる限りいろいろな島に行ってもらい、その違いを知ってもらいたいからである。

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